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「これが最後の手術」とMD法による腰椎の再々手術を受けられた80代女性

.02 2015 腰椎MD法 comment(11) trackback(0)
過去に当院で腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症のMD手術を二度受けられた患者さんが三度目の再発で受診されました。
今回は前回の腰部脊柱管狭窄症と同じレベルのL4/5でしたが、部位は異なり、椎間孔狭窄症でした。
椎間孔狭窄症はL4/5では、L4神経根が圧迫・刺激され、腰痛や殿部、下肢の痛みの強いのが特徴です。
患者さんに手術を勧めたところ、「これが最後の手術です」と意味深の言葉が返ってきました。
私は、それ以上突っ込みませんでした。恐らく、家族に負担をかけるのはこれを最後にしたいと言っているように聞こえたからです。
高齢者は手術を受けるにも、周囲に遠慮があるのを多く見てきました。
痛みは年齢に関係なく辛いはずです。高齢になると、それさえ我慢して死を迎えなければならないとすると、腰を悪くした高齢者にとって、長生きは辛い苦しいものにしかならないでしょう。そして、気兼ねしながら生きる晩年は気の毒としか言いようがありません。
この患者さんは、三度目のMD手術(神経根の除圧術のみ)を受けられ、痛みのない生活を取り戻しました。そして、歩くこともできるようになりました。笑顔も勿論戻りました。
この患者さんに、もし四度目があったなら、私は迷うことなく手術を勧めるでしょう。なぜなら、腰椎手術は生活の質を取り戻す手術ー生き甲斐を取り戻す手術と私は考えるからです。
私は腰椎変性疾患に悩む方々には年齢を問わず、治すことに前向きになりましょうと背を押します。諦めるのは最後の最後にしましょうと。
過去に当院で腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症のMD手術を二度受けられた患者さんが三度目の再発で受診されました。
今回は前回の腰部脊柱管狭窄症と同じレベルのL4/5でしたが、部位は異なり、椎間孔狭窄症でした。
椎間孔狭窄症はL4/5では、L4神経根が圧迫・刺激され、腰痛や殿部、下肢の痛みの強いのが特徴です。
患者さんに手術を勧めたところ、「これが最後の手術です」と意味深の言葉が返ってきました。
私は、それ以上突っ込みませんでした。恐らく、家族に負担をかけるのはこれを最後にしたいと言っているように聞こえたからです。
高齢者は手術を受けるにも、周囲に遠慮があるのを多く見てきたからです。
痛みは年齢に関係なく辛いはずです。高齢になると、それさえ我慢して死を迎えなければならないとすると、腰を悪くした高齢者にとって、長生きは辛い苦しいものにしかならないでしょう。そして、気兼ねしながら生きる晩年は気の毒としか言いようがありません。
この患者さんは、三度目のMD手術(神経根の除圧術のみ)を受けられ、痛みのない生活を取り戻しました。そして、歩くこともできるようになりました。笑顔も勿論戻りました。
この患者さんに、もし四度目があったなら、私は迷うことなく手術を勧めるでしょう。腰椎手術は生活の質を取り戻すための手術と私は考えるからです。
私は腰椎変性疾患に悩む方々には年齢を問わず、治すことに前向きになりましょうと背を押します。諦めるのは最後の最後にしましょう。。
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drshujisato
16/02/24のkameさんへ

 矢張りL5の分離症で、すべりをともなっていたのですね。
質問にお答えします。

   Q1,検査、治療法は無いのでしょうか  

   回答:ボルトが入っていると、金属の影響でMRIの検討が困難になります。正確な診断は難しいと
      思います。手術後、長い日数が経過していますので、根本的な対応は難しいと思われます。
                

   Q2,現在の治療も無駄でしょうか
   回答:効果がないのであれば、期待出来ないように思います。
                    
   Q3,症状を軽減する薬はありませんか
   回答:神経障害性の痛みであれば、リリカということになりますが、効果のでない人もいます。
      トラムセットも痛みには有効なことがありますが、副作用もありますので、医師に慎重に検討
      してもらい、素人判断は避けてください。
しびれにはいい薬がなく、私も困っています。
それではお大事に。

FROM SHUJI SATO
2016.02.29 22:57
-
このコメントは管理者の承認待ちです
2016.02.24 20:04
drshujisato
16/02/22のkameさんへ

分離症のレベルが書かれていませんが、恐らくL5の分離症でしょうか。
すべり症はなかったのでしょうか。
腰椎固定術は正中からのPLIFが行われたのでしょうか。
もし、そうなら椎間孔内でL5神経根の影響がでたのではないでしょうか。
L5/S1の腰椎分離すべり症では、椎間孔狭窄によるL5神経根症が通常問題になります。
術前からある場合と、術後に悪化する場合があります。
あなたの場合、後者ではないでしょうか。
L5神経根の影響は坐骨神経痛や下腿外側から足背・足底に痛みやしびれがでます。
痛みとしびれの部位はどこにあるのでしょうか。

私の質問事項をチェックしてみてください。もし、多く該当するなら、椎間孔内でL5神経根の
影響が出たのだと思います。この問題は、通常は術後のMRIを含めた画像検査では診断が困難です。
手術後の時間が長く経過していますので、仮に私の言う通りであったとしても
症状を改善することは困難かも知れませんね。
以上、参考になれば幸いです。

FROM SHUJI SATO
2016.02.22 23:28
kame.
52歳男性です。平成25年11月に腰椎分離症で、除圧、腰椎固定術をうけました。術後1週間後位から両膝下にサラサラ感が現れました。その後術前には無かった右脚のつっぱりとしびれが現れました。執刀医は原因不明ということと、画像上では問題は無いとの説明でした。27年11月に別の病院に紹介されリハビリ及びブロック注射を受けましたが改善されずに28年1月に抜釘術もうけました。現在に至っていますが、左足の痛み、右脚のしびれ、つっぱりはそのままです。この3年いろいろな病院を回り薬ものみましたがまったくといっていいほどききませんでした。先生アドバイス宜しくお願いします。
2016.02.22 20:45
drshujisato
15/12/22の村田花子さんへ Re: 母再手術後

改善してきたのであれば、ひとまず安心ですね。
手術のやりっぱなしのような医療機関はよくないと思いますね。
手術は治療の一手段に過ぎませんので、これのみで完結することは少ないと思います。
このよな情報を患者さん達が共有できたらよいでしょうね。

それではお大事に。

FROM SHUJI SATO
2015.12.26 15:24
村田花子
先生こんにちは
ご返事ありがとうございます。

母はその後、少しずつですが歩行できるようになってきました。
それにしても、再手術後2目で退院は早すぎますよね。 ベッド数が少ないので回転率をあげる為としか思えませんでした。
リハビリ担当や担当医からの説明もありませんでした。

術後の大切な時に素人判断で何か誤ちを犯すかもしれないとの不安がとてもありますので、リハビリ担当し担当医に確認いたします。

しかし、病院の選択を誤ったように思えて仕方ありません。患者の状態より経営が中心に思えて仕方ありませんでした。
近くならば、先生に診て頂きたかったです。
親身にご対応下さり感謝しています。
先生にアドバイス頂けただけで安心しました。

ありがとうございました。

村田花子
2015.12.22 12:18
drshujisato
15/12/18の村田花子さんへ   Re: 母術後その後

患者さんの年齢と症状経過から、病気についてのある程度の予測は可能と思います。
それにしても、退院が早すぎると思いますね。若い人ならまだしも、高齢者ですからね。
退院時にリハビリ担当者からの説明はなかったのでしょうか。
在宅で素人の方が高齢者の術後早期のお世話をすることは簡単なことではありません。
担当医は勿論ですが、リハビリ担当者からの説明を求められることをお勧めします。
手術をすれば、それで良いというわけではありませんのでね。

それではお大事に。

from SHUJI SATO
2015.12.21 23:30
drshujisato
> 先生、お忙しい中 ご返事頂き感謝いたします。
>
> 母はその後 痛みが増すばかりで 起き上がる事も出来なくなりまして、手術した病院に行きました。
> 担当医がお休みだったのですが、別の医師がレントゲンを撮りましたが、骨は問題無いので、痛み止めの点滴をしたら帰って下さいと 激しく痛がり 寝たきりの母を前に言われました。しかし ベッドをなんとか開けて貰い再入院し、担当医がMRIを撮った所
> 腰椎圧迫骨折でヒビが入っているとの事でした。
> 正に先生の仰る通りです。
> 母の痛みの部分も先生の仰る通り 四肢を動かすと激痛がしていました。
>
> コメントだけで、それがお分かりになるなんて 改めて先生は本当に凄い方ですね。
>
> 再手術をして、ヒビの部分にセメントを入れた所、術後は痛みも和らぎ、起き上がって食事も出来るようになりました。
>
> しかし、術後2日後に退院し、現在自宅にいて、食事やトイレ以外はベッドにコルセットをして寝てもらっていますが、歩行を見ていると 杖をつかってやっと歩ける状態で、杖が無い時は壁をつたわないと1人では歩けない状態です。
> 退院が早すぎるようにも思いますが、
> あの状態で 本当にちゃんと歩ける日が来るのか心配なのですが、安静を心がけて いれば日に日に良くなるのでしょうか?
>
> 大変 恐縮ですが、術後のケアのアドバイス等ございましたら お時間ある際に ご教示頂けますでしょうか?
>
> よろしくお願いいたします。
2015.12.21 23:12
村田花子
先生、お忙しい中 ご返事頂き感謝いたします。

母はその後 痛みが増すばかりで 起き上がる事も出来なくなりまして、手術した病院に行きました。
担当医がお休みだったのですが、別の医師がレントゲンを撮りましたが、骨は問題無いので、痛み止めの点滴をしたら帰って下さいと 激しく痛がり 寝たきりの母を前に言われました。しかし ベッドをなんとか開けて貰い再入院し、担当医がMRIを撮った所
腰椎圧迫骨折でヒビが入っているとの事でした。
正に先生の仰る通りです。
母の痛みの部分も先生の仰る通り 四肢を動かすと激痛がしていました。

コメントだけで、それがお分かりになるなんて 改めて先生は本当に凄い方ですね。

再手術をして、ヒビの部分にセメントを入れた所、術後は痛みも和らぎ、起き上がって食事も出来るようになりました。

しかし、術後2日後に退院し、現在自宅にいて、食事やトイレ以外はベッドにコルセットをして寝てもらっていますが、歩行を見ていると 杖をつかってやっと歩ける状態で、杖が無い時は壁をつたわないと1人では歩けない状態です。
退院が早すぎるようにも思いますが、
あの状態で 本当にちゃんと歩ける日が来るのか心配なのですが、安静を心がけて いれば日に日に良くなるのでしょうか?

大変 恐縮ですが、術後のケアのアドバイス等ございましたら お時間ある際に ご教示頂けますでしょうか?

よろしくお願いいたします。
2015.12.18 18:37
drshujisato
15/12/10の村田花子さんへ  Re: 術後に症状が悪化しました

腰椎固定術後に激痛が発現したそうですが、腰の激痛でしょうか、下肢の激痛でしょうか。それによって原因は異なります。
前者の場合には、患者さんの年齢から考えて腰椎圧迫骨折が起こっていないかを精査することが必用です。初期にはレントゲン撮影では骨折が明らかでないことがあり、正確な診断にはMRIが必用です。そのほか、時期的には早すぎる感じがありますが、一応、固定器具の緩みなども除外することが必用です。下肢の激痛の場合には、ヘルニアの合併などがあります。必ず、原因がありますので、精査してもらってください。治療は痛みにのみ向けるのではなく、その原因に向けなければならないことがあるからです。

FROM SHUJI SATO
2015.12.14 23:50
村田花子
はじめまして。
神奈川県に住む 村田と申します。
40代女性です。

こちらに、コメントさせて頂きましたのは、先日11/30に腰の手術をした母の術後の状態が悪く、藁にもすがる思いで色々検索し、先生のブログにたどり着きました。

母は81歳です。
20年前に滑り症の手術を受け、腰にボルトを入れていました。
その時の手術は大成功で、術後はとても元気でピンピンしていました。

しかし、2〜3年前から 膝の痛みを訴え始め
近所の町医者に通い、痛み止めや、湿布や注射をしていました所、正座はできませんが、痛みは和らいでいました。膝の痛みが和らいだと反対に腰をが段々痛くなってきたようで、少し長い時間の家での家事や立ち姿勢や歩行は困難になり、痛みがかなり酷くなった為、背骨専門の整形外科にお世話になり、2015/11/30に手術をしました。 手術は無事に終わったと担当医から言われ、20年前に入れたボルトを抜き、新しくボルトを入れて、また、その上の部分も詰まっていた為、そこにもボルトを入れたとの事でした。術後は順調に回復していました。
退院は手術から8日後の12/8になりました。
ちょっと早いかと思いましたが ゆっくり歩ける様にはなっていました。
しかし、退院前日に病院のリハビリ担当の方から、ストレッチを進められ、バーに捕まりながら、軽めのスクワット等のストレッチをしたそうです。
その後から、激痛が始まったとの事で 退院の時には 、歩行もかなり困難になっていました。担当医に痛みを訴えた所、ブロック注射をしてもらいましたが、母はブロック注射が昔からあまり効かないとの事で痛みは改善されていません。
自宅に戻りましたが、痛みは増すばかり、特に寝た状態から起き上がる時は、かなりの痛みで 、痛く無い所を探しながら、這いずる様に起き上がるり、20分位かかってしまいます。1度起きて、慣れてくると少し楽になるようです。
寝ていても痛いそうですが、体制を変える時が1番痛いみたいです。
病院でコルセットもつくりましたが、合わないようで、以前から使用していたコルセットをつけています。

痛み耐えらず、痛み止を打って貰う為、退院2日後に、前から通っていた町医者に、ブロック注射をしてもいました。
なかなか効かない様ですが、以前色々探しながら打って貰った翌日はかなり楽になった記憶があったからです。
しかし、今回は町医者の注射も効かず、翌日には自力で起きられなくなってしまいました。

20年前の手術の際は、入院は2ケ月で2週間は寝たきりで
1週間は寝返りも打てませんでした。

今回の手術は、手術後から寝返り可能で、術後3日目から起き上がり1人で食事をし、4日目には 1人でシャワーを浴びていました。
私には、術後8日目で退院も早すぎだったのではと思います。
また、病院から貰う痛み止めはかなり強く、飲み続けると腎臓に影響が出る為 あまり飲ませたくありません。

術後には元気になっている事を想像してただろう母が毎日痛みに耐え、起き上がれないのが
本当に、可哀想でなりません。

何かアドバイス等あればと思い、ご相談させて頂きましました。

どうか、よろしくお願いいたします。
2015.12.10 10:55

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