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腰椎変性疾患は再発があることを前提に、常に次の一手を打てる背椎外科医が求められている。

.05 2016 脊椎疾患 comment(16) trackback(0)
 腰椎変性疾患は椎間板ヘルニアであれ、脊柱管狭窄症であれ、変形性腰椎症であれ、再発があることを前提にして治療を考える必要があります。これは保存治療でも、手術治療でも同様です。
このことは、腰椎変性疾患は腰椎が加齢変化を進める中で発生する病気であると考えるなら当然でありましょう。

 様々な腰椎変性疾患は一度の手術で生涯に渡って、安泰となることはありません。その理由は上記した通りです。幸いにして再発なく術後の快適な生活を謳歌している方でも、腰椎の変性は進んでいきますので、自分は大丈夫と高を括ることは禁物です。再発を防止するための一定の注意は必要です。しかし、加齢変化が原因といっても、加齢が腰椎に与える影響は個々に異なりますので、なかなか一概には言えず、効果的な予防法が立てられないのが悩みです。

 今まで、腰椎変性疾患の手術は二度目はないというのが常識でした。そのため、再発すると効果のない保存治療をやむなく続けるか、あるいは、このような場合の最後の切り札となってきた腰椎固定術にすがるしかありませんでした。しかし、腰椎固定術はそれ自体が患者にとって辛く耐えがたい腰痛などの問題を残すことが希ではありません。そのため、再発したなら患者にとって希望のもてる治療の選択肢はなかったと言っても過言ではありません。

 このような状況を変えるべく、私は腰椎変性疾患の再発手術に取り組んで来ました。その中で腰椎固定術に頼らない、最小侵襲のMD法(小切開、チュブラーレトレクターと手術顕微鏡を用いた手術)による神経の再除圧術を確立してきました。このような再除圧術は、再発を繰り返す高齢者の腰椎変性疾患で極めて有効です。勿論、若い方でも同様です。

 強調したいのは、腰椎変性疾患は再発があることを前提にして、常に次の一手を打てる背椎外科医が求められており、そのような背椎外科医の育成が喫緊の課題になっていることです。
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drshujisato
17/09/25のSU(69歳 男 兵庫県)さんへ  Re: 佐藤先生ありがとうございます!

地域で評判の良い医師に手術をしていただいたのであれば、あなたの腰の病気の方が医師よりも上手であった可能性が
ありますね。
受診されましたら、よくできる可能性がないか、よく検討させて頂きますよ。
それではお待ちしています。

FROM SHUJI SATO
2017.10.01 23:16
SU 69才 男 兵庫県
佐藤先生

ありがとうございます。治らない症状かと不安でしたので先の希望が持てます。
早速の回答を頂きながら回答を見つけることが出来ず返信が遅くなり申し訳ありません。先生の「腰椎手術はこわくない」の著書を拝見致し、本心は是非先生に施術をお願いしたかったのですが、時間的な問題もあり、迷いに迷った末、不安を抱えながら近くの評判の良い先生にお世話になりました。
結果は残念ながら私の期待を裏切るものでした。一言で言ってしまえば未熟、力不足だと思います。担当医を攻める気にはなれませんが患者側からの思いを申しますと、失意でありこのままであれば足を引きずりながらの一生かと思うと落ち込みます。年齢的には充分高齢者の部類ですが、会社経営をしており現役の毎日を送っております。佐藤先生に是非診断いただき良きようにお世話になり、まだまだ元気に働ける体を取り戻したいと思います。よろしくお願いします。
2017.09.25 22:23
drshujisato
17/09/16のSU(69才男)さんへ  Re: 脊柱管狭窄症手術ご症状残る

結果からは、残根ですが明らかに不完全手術です。つまり、神経の除圧が不十分ということです。
脊柱管狭窄症の場合には、普通は手術後1週間までに症状、つまり、痛みやしびれ、歩行障害の改善を患者さんは実感できます。
それができないのであれば、それは不完全な手術といって良いと思います。
不完全な手術とは、診断に誤りがあるか、手術が不適切か、その両者かです。
今のままでは、その後の改善は期待できないと思いますよ。

FROM SHUJI SATO
2017.09.19 00:05
SU 69才 男
3年ぐらい前ジムで荷重をかけすぎたため腰を痛め医者からは脊柱管狭窄症と診断を受けました。当初は腰の痛みだけで保存治療を3年ほど続けましたがこの春から両足とも下肢それも下腿へ、痛みより痺れがひどくなり、また間歇爬行の症状が出始め手術を勧められました。L3~L4~L5の開窓術です。術後痺れが全く取れていないので除圧が不十分ではないかと訴えましたが、まだ判断するのは早いと言われました。2週間後の退院時に、MRI画像を見ながら説明を受けましたが、神経を剥がすのに時間がかかったがやるべきことはできたとの説明です。痺れは退院時とあまり変わらず、退院時には右足を、今は左足を僅かに引きずっています。また階段を上るのが辛く、足を持ち上げるのが重く、降りるときもつま先で踏ん張れないためドスンと踵から降ります。腰の狭窄症が原因ではなく頸椎の4番と5番の所で障害が出ているのではとの所見です。よろしくおねがいします。
2017.09.16 17:02
drshujisato
17/03/02のさくらさんへ

術後調子がよく、よかったですね。
固定術後の隣接椎間の問題は、確かにあり得ます。
しかし、こうしたら防げるというものはありません。
普通に生活して、もし万が一再発するなら、その時に治療を検討するのでよいと
思います。言い換えれば、再発を防止する有効な治療はありません。
ですので、びくびく生活するよりは、極端な無理は避ける程度で
生活を楽しまれたら良いと思います。

FROM SHUJI SATO
2017.03.07 00:06
さくら
先生お久しぶりです。
先生のブログに久しぶりに訪問して
更新されていたので
ほっと致しました

腰椎固定術を受けて
1年半がたちました
おかげさまで
仕事もできて
日常生活も普通におくれていますが
固定術をしても
年齢を重ねると
再発度は高まるのでしょうか

重いものをもたないくらいしか
対策していないので
記事を読んで少し心配になりました
2017.03.02 21:07
drshujisato
16/12/21のCKさんへ   Re: 佐藤お元気ですか

他所で固定術を受けられてから私の外来を受診される患者さんを拝見する度に
CKさんは、今どうされているのかなと思っておりました。
念願であった娘さんの婚礼に出席できたとのこと、本当によかったですね。
CKさんの前向きな努力が実を結んだ結果と思います。
なかなか身体の傷と心の傷の両方から立ち直れない人が多い中で立派です。
良くなりたい、良くならなければならないという明確な目標があったためでしょう。
CKさんにとっては、それが娘さんの結婚式であったのだと思います。
私はただきっかけを作っただけで、それを驚異的な改善につなげたのはCKさんの努力以外の
何物でもないと推測します。
これからも戦いが続くことと思いますが、是非頑張って乗り越えてください。
そして、さらに次の心強い報告をお待ちしています。
メッセージありがとうございました。
同じ病、境遇に苦しむ患者さん達にとって大変励みになると思います。

FROM SHUJI SATO
2016.12.26 01:03
CK
佐藤先生ご無沙汰しております。去年の3月に地元で腰椎分離滑り症のためL/5、S/1にボルト固定術を受けた女性です。この日から私のどん底な人生が始まりました。手術直後の手術室で何でもなかった左足が全く動かず……それからは左足の痺れや痛み 両お尻や左足の股関節等様々な痛みで苦しみそんな中佐藤先生とのめぐりあい 私の苦境を知り誰もが断った二度目の手術を佐藤先生は策を練って引き受けて下さいました。去年の11月に金沢へ飛び✈11月19日に手術 忘れもしません。佐藤先生を始め金沢脳神経外科のスタッフ皆さんが一人一人に真摯に向き合いどれだけ心を救われたことか。佐藤先生の手術を受けてからそれまで自分の事をやるだけが精一杯で痛みや痺れは四六時中容赦なく襲いベッドで過ごす日々から開放されました。勿論、車椅子へ座ることもなくなりました。それから。佐藤先生、今年の11月19日私が佐藤先生の手術を受けてから一年目のこの日 娘の結婚式に出席最後まで娘の晴れ舞台を見届ける事が出来ました。感無量でした。(残念でしたが着物はさすがに着れませんでした) 今は地元でペイン外来へ通院しております。治療の為入院をしましたが 最初の手術で傷ついた第五神経の回復にはなかなか思う様にいかず今でも座薬やトラマールodん錠などの痛み止めを使っています。生活の質の改善とまでは言えませんが少しずつ家事仕事ができるようになり外出(短時間)もできるまでになりました。佐藤先生のよみはさすがだと思います。これからも私には困難な道のりが続くことをハッキリ仰って頂きました、その時に自分の今後を察知することもでき前向きに生きていくこと、今でも痛みや痺れと闘いながらも自分の今を受け入れる事が出来ました。佐藤先生本当にありがとうございました。腰痛などで苦しむ多くの方が私と同じ過ち(手術が簡単ではないこと)ないようにお医者様、病院選びは重要です。金沢脳神経外科へ行って私のどん底な人生を佐藤先生が救って下さいました。心より感謝申し上げC、Kも元気でいることを今の私の近況報告を知らせたくて佐藤先生のブログを訪ねました。 金沢の寒さを今でも体が覚えています(かなりかなり寒かった~(笑))  佐藤先生のご健康と御活躍を心より祈っております。お体を大事にされて下さいね。またブログへお邪魔させて下さいね。 ありがとうございました。
2016.12.21 08:23
drshujisato
16/09/26の渡辺善教さんへ  Re: お礼

良い病院、良い医師と巡り合いましたね。
外科は結果が全てです。あなたは自ら動いてその結果を手にしたのです。
おめでとうございます。

FROM SHUJI SATO
2016.10.02 22:23
渡辺善教
平成28年3月2日に大阪より相談のため受診しました58歳男性です。
その節は貴重な診断ありがとうございました。
その後の人生かなり辛うございましたが、この夏、勤務先近くの総合病院内に脊椎内視鏡外科が開設されていたことを知り受診しました。まさにFailed back surgeryが脊椎内視鏡外科の適応疾患と明記されていたからです。

受診後一月と待たずに日帰り手術を受け、リリカをはじめステロイドもオペ後服用ストップとなりました。
1ヶ月経過後した今でも神経根の痛みから解放されています。
まさに先生のおっしゃる「医者は選ばなければ」を身を以て実感した次第です。

ありがとうございました。
2016.09.26 05:09
こあ
お忙しい中返信いただき、ありがとうございます。
薬が効かなくなった事や、短期間に何度も繰り返すのは何故かなど、よくわかりました。
わかりやすい説明ありがとうございます。

毎日ずっと辛く、すぐにでも手術して治りたいと思っていましたが、
ここ2〜3日ほんの少しですが痛みがやわらいでいるのを感じたら、なんだか手術に対する怖さが出てきてしまいました。
まだほぼ寝たきりですが、緊急性が無いのならもう少しじっくり主治医に手術についての不安を話してアドバイスをもらい、納得してから受けたいと思います。

ありがとうございました。
2016.08.18 13:23
drshujisato
16/08/12のこあさんへ   Re: 続きです

同じ十勝出身ですか。
それでは、尚更きちんと治して欲しいと思います。
地元に信頼できる脊椎外科医がいればいいのですが。
腰椎椎間板ヘルニアの手術成績は外科医によってばらつきがありますので
安易にきめられないことです。
やり直しがききにくいのが腰椎ヘルニアですからね。

FROM SHUJI SATO
2016.08.18 00:14
drshujisato
16/08/12のこあさんへ

椎間板ヘルニアが再発を繰り返して、悪化しているように思われます。
ヘルニアによる神経根の圧迫が強いと、鎮痛剤やブロックの効果が出にくくなるものです。
あなたの場合もそうだと思います。
薬の量を増やせばいいというものではありません。副作用のことも心配しなければなりません。
ほぼ寝たきりの状態にあるのなら、重症といってよいでしょう。勿論、痛みのせいでそうなっているわけですが。
私ども医師が重症という場合は、ヘルニアによって神経障害が強い場合や、ヘルニア自体が手術困難な場合などです。
ヘルニアは起こり易い状態に進んでいる人では、たいしたこではない動作をきっかけにして発症することがあります。
あなたの場合はこれに該当すると思います。
時間的な経過からみると、手術が必要な段階にあるのではと思われます。
ヘルニア手術に熟練した外科医であれば、きちんと治すことができますので、そのような外科医を選ばれることです。

from SHUJI SATO
2016.08.18 00:09
-
このコメントは管理者の承認待ちです
2016.08.13 11:00
こあ
二回も続けてのコメント申し訳ありません。
佐藤先生のプロフィールを見たのですが、十勝出身とあり驚きました。
私も十勝に住んでいるんです。
それを見て余計に先生に治療をお願いしたくなったのですが、
やはり北海道からはなかなか行けそうもないです。

十勝と見てつい書きたくなってしまいました。
何回も失礼しました。
2016.08.12 12:38
こあ
はじめまして。46歳女性です。
5月頭から左のお尻に違和感を感じ
様子を見ていたら痛みに変わってきて、段々と下肢に広がっていきました。
5月末には脹脛まで痛くなり、病院でMRIを撮り4番5番のヘルニアと診断され、リリカを処方されました。
それで痛みが落ち着いてきたのですが、6月末にいきなり急性期の痛みがきて、お尻から足の甲まで激痛で数日寝たきり、リリカを増やしてもらい安静にしてやっと我慢できるくらいの痛みになったのです。
この時に日常生活で悪化するならとコルセットを勧められ、医療用コルセットを作り毎日つけていました。
ところがまた8月の最初に急性期の痛みがきて、くるぶしまでお尻から足先全部痛み、また寝たきりになってしまいました。

リリカをMAXの量の一日75mgを8カプセル飲んでいますが効きません。
発症してから椅子には全く座れず
食事は正座ですが、痛くて座ってられません。
立つ、歩く、座るに痛みが出ますが
仰向け寝は痛みが出ないので、ほぼ一日仰向けに寝ている状態です。
家の中で数分歩けば布団に倒れ込みの繰り返しです。

症状の度合いとしては重症に入るのでしょうか?
発症して三ヶ月ですが手術適用になると思われますか?

リリカをMAX飲んでも効かないなんてあるのでしょうか。
最後の急性期までは一日6カプセルで効いていました。

医療用コルセットをしっかりつけていて、悪化させる行動をした覚えは全然がありません。
もうどうしたら良いのかわからず
毎日悩んでいます。

いきなりの相談で申し訳ありませんが先生よろしくお願い致します。
2016.08.12 10:33

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