私は手術顕微鏡を用いて脊椎手術を始めてから3000例以上を経験し、その中の2000例以上が平成14年から現在の小切開のMD手術を開始してからのものである。一日2件から3件の手術をこなしても、手術予約は6ヵ月以上待ってもらわなければならない状態である。私を訪れる患者さんの多くは長年の治療歴があり、様々な治療にもかかわらず悪化していった患者さんや75歳以上の高齢者で他の医療機関では、手術治療を拒否された方々ばかりと言ってよい。私は、腰ヘルニアや狭窄症、すべり症は必ず治る・治せる病気と考え、その考えに間違いのないことを手術治療を通して実体験してきた。これらの腰の病気を治すには、先ず、正確な診断ができなければならない。よく、腰が痛いと医療機関を受診し、レントゲン撮影のみで、腰ヘルニアでしょうといわれ、治療が開始されている。腰ヘルニアはレントゲン撮影では絶対に診断できないことを知って欲しいと思います。なぜなら、椎間板はレントゲンには写らないからです。現在、ヘルニアの診断にベストな検査はMRIです。これに優る検査はありません。脊髄造影検査はもう過去のものです。私は、まったくといってよいくらい脊髄造影検査は行っておりません。もちろん、専門的な根拠があってのことです。世界の脊椎外科医の趨勢もそうなりつつあります。MRIは身体にレントゲン撮影のような悪影響もありませんし、脊髄造影検査のような痛みも危険もありません。もちろん、心臓にペースメーカーの入っている方ではMRIを行うことはできませんよ。しかし、MRIもヘルニアを診断するためには検査のやり方に工夫がいるのです。一般に行われているMRIの検査のやり方では、診断できないヘルニアがあるんです。このように診断自体に難しい問題もあるのですが、とにかく、診断がまず大事なのです。昔から医者に最も大事なものは診たてといわれてきましたが、今もその通りだと思います。正確な診断があってこそ、始めて適切な治療が開始できるのです。腰の患者さんを診ていて思うことは、先ずその肝心な正確な診断がなされていなことが多いということです。だから、治療効果が一定せず、誤った診断のもとで手術が行われたりすることから、良くならない患者さんがでたり、手術で悪くなる患者さんがでたりするのです。そのため、素人の方々は腰の病気は治らないと悲観的に消極的になるのだと思います。ヘルニアや狭窄症のため、長い闘病生活や人生を棒に振っている方々は私がいつも言うように、必ず治る病気であることを知って欲しい。これも繰り返しますが、神経の障害が進んでしまっては、良くなるものも良くならなくなることを知って欲しい。

↑ 腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んで
いただきたいと思っております。
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