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腰ヘルニア治療の近代化に執念を燃やす老脊椎外科医

.03 2011 腰椎椎間板ヘルニア comment(0) trackback(0)
どんな病気にも原因があり、転帰(行き着くところ)がある。病気の行き着く先を知ることは病気の治療を考える上で極めて重要なことである。腰ヘルニアもそうである。腰ヘルニアは8割の人が手術なしに治癒するとのデーターがあり、もっぱら保存治療が行われる根拠になっている。従来の診療は次のようである。外来受診の腰痛、坐骨神経痛の患者にレントゲン撮影が行われ、ヘルニアの診断が下される。8割の人は保存治療で治るからと保存治療が開始される。しかし、以前にも述べたようにレントゲン撮影ではヘルニアの診断などできないのです。レントゲン撮影で椎間板のスペースが狭い、つぶれているからと言って患者の症状の原因がヘルニアなどと診断する根拠は全くないのです。従来の診断法自体に先ず問題があるのです。さらに、目の前の患者が手術の不要な8割の中にあると判断を下す理由、根拠を具体的に示すことなく、一般的な確率論だけで保存治療を続ける安易さは、いづれ患者の期待を裏切る結果になるわけです。保存治療は自然歴の中で、治るべき人を「治している」のである。巷にあふれる腰ヘルニアの民間療法を含む治療法の殆どはそうである。Doctorの役割に期待がかかるのは自然歴の中で良くならない、段々と悪化する腰ヘルニアの患者を早く見極め、後遺症を残さず治すことにある。長く闘病生活をしてきた腰ヘルニアの患者の多くは、そのような前近代的、慣習的な診断と治療の犠牲者である。無論、腰ヘルニアの診断と治療学が確立されていない時代においては、致し方のないことであった。私が長年追求してきた研究テーマの一つは、腰ヘルニアの内どんなヘルニアが自然歴ではよくならないのか、保存治療の効果が期待できないのか、さらに、ヘルニアの治療経過中、どの時点で手術治療に切り替えるべきであるのか。これらは、腰ヘルニアの治療を近代化するために必須の知識である。ヘルニアを正確に直接に映し出す高性能のMRIが登場したことによりヘルニアの診断率はほぼ100%と言ってよい。勿論、MRIの撮影条件によってはヘルニアを見逃すので、撮影条件は重要である。しかし、まだまだ不完全な撮影条件で検査が行われている。さらに、手術顕微鏡や内視鏡によってヘルニアの外科手術の正確性と安全性は極めて高いものになった。診断法と治療法の近代化と脊椎治療にあたるdoctorの頭の切り替えによって腰ヘルニア治療の近代化は間違いなく進むと老脊椎外科医は確信している。



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