このような疑問を持って受診される患者さんは少なくない。手術を受けても患者さんは術前の症状が良くならず、満足がいかない。担当医はヘルニアは取りました。悪いところは治しましたの一点張り。検査をすると、患者さんの症状の原因は手術を受けた場所とは別の所にある。ふーむ。手術の場所はいいが、神経の圧迫が取り切れていない。ふーむ。まあ、悲観しないで。腰の手術ではあり得ること。もう一度治しましょう。患者さんの不安な顔に安堵の色が浮かぶ。やり直しがきくなら良いと思わなくては。不幸で悲惨なのは、手術の場所に問題ない。手術のやり方にも問題ない。しかし、症状の改善の悪い患者さんだ。その理由は、発病から手術までの間に既に神経の障害が進み過ぎて、神経の快復力が既に失われているからだ。たまに、びっこひきながら、受診する患者さんがいる。足は垂れ下がっている。痛みはないという。何のことはない。神経は既にだめになってしまったのだ。手術をしても既に手遅れだ。こんな不幸をなくさなくてはならない。
- 関連記事
-