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脳神経外科医が腰ヘルニアを手術するわけと整形外科医との違い

.04 2011 腰椎椎間板ヘルニア comment(4) trackback(0)
脳神経外科病院で腰の手術をしていると聞き、意外と驚く人が多い。それは、脳神経外科が治療するのは頭かせいぜい頚椎までと思っている人が多いからである。日本では、主に整形外科医が腰椎の手術を行ってきた歴史がある。しかし、欧米では、脳神経外科医が腰の手術を行ってきた。それでは、脳神経外科医と整形外科医が行う腰ヘルニアの手術のどこに違いがあるのであろうか。先ず、歴史的に見ると、整形外科医はラブ法と呼ばれる肉眼によるヘルニア摘出術を行い、脳神経外科医は手術顕微鏡を用いたマイクロラブ法と呼ばれる方法でヘルニア摘出を行ってきた。両者を比較すると、肉眼手術のラブ法よりも手術顕微鏡を用いたマイクロラブ法の方が繊細で傷つきやすい神経を安全に扱うことができ、ヘルニア摘出も正確になることは明かである。しかし、近年になり、整形外科医による内視鏡を用いた最小侵襲手術であるMED(microendscopic discetomy)手術が行われるようになり、腰椎ヘルニア手術の新時代が到来した。そして、少し後れて、脳神経外科医は私の行っている手術顕微鏡を用いたMD(microscopic discectomy)手術に着手した。腰ヘルニア手術の歴史的な大まかな流れは以上のようだが、脳神経外科と整形外科の根本的な違いは、脳神経外科は脳や脊髄、末梢神経を扱う専門科であり、整形外科は骨や軟骨、関節の専門科である。それでは、腰ヘルニアという病気を見てみると、坐骨神経痛や下肢のしびれ、麻痺などは腰の骨の中を通る神経が出す症状であり、その神経の症状を出す原因が腰の骨と骨の間にある椎間板と呼ばれる軟骨なのである。このように脳神経外科医は神経を圧迫している椎間板ヘルニアを摘出することによって、患者の下肢の痛みやしびれを治すのである。勿論、整形外科医による腰ヘルニア手術の目的も同じである。ただし、脊髄や神経を専門に扱う脳神経外科医は患者の下肢の痛みやしびれがどの神経の障害によるのか、腰椎のどこのヘルニアによるのかの診断にこだわりが強い。私のピンポイントによる最小侵襲手術の原点は神経の圧迫点をとことん突き詰めることへのこだわりから誕生したのである。全国的に見て、脳神経外科医が腰ヘルニア手術を行っている専門施設は整形外科と比べて圧倒的に少ないのが現状であることを最後に付け加えたい。


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drshujisato
1ヵ月の待ちでしたら、手遅れなどの問題にはならないと思います。
それでも、その間の症状の進行状態には一応、注意したらよいと思います。
2014.06.07 14:25
JK
早速のコメント誠にありがとうございました。

紹介状の依頼に躊躇していましたが、先生のアドバイスで気持ちの整理ができました。

早速、別の専門医への紹介を申請しますが、私の今の症状は
緊急を要するのでしょうか?

別の専門病院に問い合わせてみましたら1カ月後と返事がありましたが。
2014.06.02 15:54
drshujisato
無責任なことは言えませんが、PELDが手術の目的を達成したとは思えない術後経過です。
除圧部に血腫がたまることは普通にありますが、その程度にもよりますが、普通はそんなことで現在のような
症状になることはないというのが私の経験です。
神経除圧が不十分の状態で、術後の炎症や肉芽形成などが重なり、症状の悪化が起こっているように思われます。
別の専門医の意見を求められたら宜しいと思います。
現在の経過をからは、的確に原因が把握され、それに対する治療にはなっていないように感じられます。
判断すべきデーターがない状態でのコメントであることをご承知おきください。
2014.06.01 21:16
JK
平成26年1月
脊柱管狭窄症#4,5を内視鏡(PELD)で手術(1泊2日)

「手術前症状」
1、その場立ちで右足ふくらはぎの側面に痛み激しく5分位が限度でしたが、歩くと痛みが軽減しゴルフも問題なかった
2、椅子に座ると、左腰と左臀部に鋭い痛みがあった
上記理由により、手術実施

「手術後の症状」
1、手術直後に両くるぶしから下全体に鋭いシビレで感覚がなかった
2、手術のあくる日にシビレに耐え、退院
3、手術7日後にMRI撮影し手術前と比較しましたが血が残っており、シビレはあまり軽減されなかった
4、その後、両足裏のシビレと灼熱感が混在し経過観察
5、約3週間後から、左足全体のシビレが追加
6、手術1カ月後、MRI撮影するも、まだ血が残っており除圧ができていないとの事
7、手術2カ月後にゴルフの許可が出るも、両足裏のシビレはあり
8、手術3カ月後からは、座ると両臀部の痛みが発生する
9、その後、両ふくらはぎに痛みとシビレが混在
10、4ヶ月後、MRI撮影結果は完全に除圧されているが、シビレと痛みは少しずつ軽減するはずだがシビレ痛み増加
11、上記診察後、ストレスも考えられるので、「腰部交感神経節ブロック注射」を左足首に実施するも全く変化なし
12、現在、排尿時の感覚減少・排便時に肛門に力が入りにくい(主治医には1カ月前に説明)
13、除圧は完全と説明がありましたが、症状は悪化するばかりでシビレと痛みで就寝中に目が覚めます

*以上が現在の症状ですが、馬尾神経にも障害が出ているのではないかと心配しています。
このまま主治医の経過観察で良いのでしょうか

*別の病院で検査、診察も考えています
*現在服用中の薬
 ロキソニン、メチコパール、オパルモン、ミオナール、ソラナックス、アモバン
 (リリカカプセル、トラムセットはアレルギーで服用不可)

大変お忙しい中、よろしくお願い申しあげます
2014.06.01 19:48

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