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どんな場合に腰ヘルニアはMRIによって診断できないか!

.07 2011 腰椎椎間板ヘルニア comment(0) trackback(0)
私の外来を訪れる患者は先の医療機関で行われたMRIのコピーを持参されることが多い。症状からは明らかに椎間板ヘルニアが疑われるけれども、MRIではヘルニアは認められず、原因不明との理由で受診される。MRIの通常の撮影法は、矢状断という腰の骨を縦切りにする撮影法と横断像という骨を輪切りにする撮影法、そして、冠状断という身体の面に並行に切る撮影法が行われる。すなわち、椎間板を三次元的に評価できる撮影法が行われるのである。持参されるMRIの撮影法と私の撮影法とを比較すると、矢状断の撮影法は同じであるが、横断像と冠状断像が異なるのである。持参されるMRIの横断像の殆どは、椎間板の所だけを輪切りにする切り方である。この撮影法では、椎間板と連続しているヘルニアは診断できるが、上方あるいは下方の椎間孔へと椎間板から切り離された、すなわち遊離したヘルニアは診断することができないのである。このタイプのヘルニアは矢状断像でも見逃すことが多く、唯一頼みになる冠状断撮影も撮影角度や表示法によってヘルニアの診断が困難になることが多い。一方、私の撮影法は、横断像では関心領域の骨と椎間板を連続的に輪切りにする。この切り方だと、椎間板から遊離したヘルニアも見逃さない。冠状断撮影は関心領域の神経根が脊柱管内から椎間孔を経て外に出てしまうまでを描出できる角度で拡大表示する。このような撮影条件で検査すると、見逃すヘルニアは殆どなくなるのである。一般の方に知っていただきたいことは、MRIの撮影条件によって、診断出来るヘルニアと診断出来ないヘルニアがあるということである。繰り返すが、通常行われているMRIの撮影法では、遊離型ヘルニアは見逃されやすく、部位部には外側型ヘルニアと超外側型ヘルニアは従来から診断困難であり、見落としされやすいのである。


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