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悪い腰に付き合えとは老人に生き甲斐をなくせと言うことだ

.13 2011 腰部脊柱管狭窄症 comment(0) trackback(0)
 遠く県外から手術治療に来られた70歳代の腰部脊柱管狭窄症の男性患者が術後2週間で喜びの退院となった。長い期間、地元の医療機関を転々として治療を受けたが、次第に歩けなくなり、地元の大学病院を受診したが、年齢も年齢だから、腰に付き合った生活をするようにと指導され、落胆していた。そんな折に、ホームページで私が高齢者の腰椎手術に取り組んでいるとの情報を得、遠路はるばる受診されたという次第である。病気は高度の腰部脊柱管狭窄症で数メートル歩くと下肢の力が抜け、転びそうになり、しゃがんでしまう。高度脊柱管狭窄症の患者で見られる頻尿もあった。これは膀胱が麻痺して収縮力を失うため、一度の排尿で尿を全部出し切れず、膀胱に尿の貯まった状態が続くために起こる症状である。手術はMD法で17mmの切開のもと狭窄部位で神経の圧迫を除去した。術後は翌日から歩行障害は改善し、患者は手術治療の劇的効果を目の当たりにして喜んだ。術後は痛み止めは不要であった。退院時の診察の際、大学病院で腰に付き合って行けといわれた時に絶望的な気持ちに陥ったことを述懐した。歩けなくなる人生がその人にとってどんな意味を持つか。年齢(とし)だからという言葉は高齢者には極めて冷淡に響く。それは、諦めろ、良くなる夢など持つなということを意味するのである。もっと悪くいうなら、長生きしたからこんなことになるんだということでもある。繰り返し強調するが、医学は老化との戦いでもある。老化がもたらす病気は各科に山とある。癌然り、白内障然り、脳卒中然り、膝関節症然り、あげれば枚挙に暇がない。腰だけは例外なのか。そんなはずはない。年齢だからの文句は、医師の病気に対する白旗を意味する。私は絶対に白旗は振らない。どんな高齢者でも回復への可能性を探る戦いを続けていく。




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