平成17年に腰椎すべり症に対して固定術を行い、正常な生活を送っていた80代女性。術後6年目に腰と下肢の痛み・しびれで歩行が困難になった。外来で久しぶりの対面となったが、年の割には若若しく、頭も冴えていた。MRIなどで調べると、腰椎の4番と5番の固定は完成していて問題なかった。ところが、その上、すなわち腰椎3番と4番の間に高度の脊柱管狭窄を認めた。これが症状の原因と判断された。患者は早い手術を希望した。手術待ちが半年以上になっている中で、どうしようか正直困ってしまった。しかし、若い人の半年待ちと80歳代の半年待ちの違いを考えると、何としても超高齢者の手術を早めてやりたかった。半年という期間は残された人生で大きな比率を占めるからである。スタッフに協力を求め、早期手術が実現した。MD手術による除圧術を行ったが、先の手術による癒着が強く、やや面倒ではあったが、手術時間は50分、出血量は5mlで無事手術は終了した。手術後は翌日から離床し、リハビリを開始した。術後約20日目に退院時のチェックを行ったが、下肢の痛みはとれ、歩行は改善していた。足のしびれは残るも満足した笑顔に私は安堵した。腰椎手術は患者の満足がなければ、成功したとはいえない手術だからである。

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