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腰ヘルニア患者の不幸は絶えることなし

.22 2011 腰椎椎間板ヘルニア comment(0) trackback(0)
腰ヘルニアが患者にもたらす不幸が絶えないのは旧態依然とした治療方針に固執する医師が多いからに他ならない。最近、県外から受診した70歳代半ばの患者は二年あまりも下肢の痛みに悩まされ続け、杖をつきやっと歩いているといった状態であった。下肢の痛みが急に発現したため、最初に受診した病院では神経ブロックや薬の治療を受けたが、症状は一進一退の状態が続いた。はっきりした病名は教えてもらえなかったという。しびれを切らして他の病院を受診したが、そこでは椎間板ヘルニアはないと言われ、保存治療を勧められ、相変わらずの治療が続いた。そして、三度目の病院で、やっと椎間板ヘルニアの診断がつけられた。しかし、受けた説明は年齢的に手術は無理だから保存治療を行うしかないというものであった。患者は崖から突き落とされたようなショックを受けたという。諦めきれない家族がインターネットで私を探り当て、受診となったというのが事の顛末である。診察すると、片方の下肢の筋力は低下し、筋肉の萎縮が見られる。感覚障害もある。神経機能検査からは、腰椎第3神経根の機能障害を示した。腰椎MRIでは、予想通りに腰椎3番と4番の間に外側型ヘルニアを認めた。これによって腰椎第3番の神経根が圧迫されていた。その他にも変形性腰椎症による脊柱管の狭窄性病変が見られたが、患者の症状と一致するのは間違いなく外側型ヘルニアであった。患者と家族には15mmの切開によるMD法でヘルニアは治すことが出来るが、神経根障害は進んでいるので筋萎縮や感覚障害は完全には元にもどらないであろうと説明した。それでも、患者と家族は喜び手術の予約を取って帰宅した。このような不幸な腰ヘルニアの患者が実に多い。このような患者の不幸が後を絶たないのは、腰ヘルニアの診断と治療が前近代的な状態のままであるからと嘆くのは私だけではなかろう。



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