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腰ヘルニア患者の痛みに対する湿布の効果は? 貼る部位はどこがいいか?

.28 2011 腰痛・下肢痛 comment(0) trackback(0)
腰ヘルニアや狭窄症などから起こる腰や下肢の痛みにはよく湿布が処方される。患者はそれを痛みの強い部位に貼る。不思議なことに湿布をはると痛みが和らいで感じられる。腰が悪いのに下肢に湿布を貼ってどうして痛みが緩和されるのであろうか。打ち身ならその部位に湿布を貼るのは道理である。腰が原因で下肢に痛みが起こる時、痛みの発信源から遠く離れた下肢の部位に湿布を貼ることによって、どうして痛みが緩和されるのか? 痛みを軽くする痛みの抑制機序について簡単に説明しましょう。腰で神経根がヘルニアなどによって圧迫刺激されると、その神経根に沿って痛みが伝搬し、その神経根の最終的な目的地である皮膚領域に痛みやしびれが発現する。例えば、腰椎4番と5番の間の椎間板ヘルニアが5番の神経根を圧迫刺激すると、臀部から大腿外側部に痛みが伝搬し(所謂、坐骨神経痛と呼ばれるもの)、下腿外側やくるぶし付近に強い痛みが発現する。この痛みの強い下腿外側やくるぶし付近の皮膚に湿布を貼ると、その痛みが軽減される。これは痛みが存在する部位の皮膚の湿布による触覚刺激が脊髄に伝わり、そこで痛みを抑制する神経回路が活性化され、痛みが抑制されるのである。この痛み抑制に関係する脊髄の部位は脊髄の背側面にある後索と呼ばれる部位にある。この部位を電気的に刺激することで頑痛を緩和する治療法が既に行われている。このように腰の疾患では、湿布は痛みの強い部位の皮膚に貼ることによって痛みが緩和されるのである。一方、打撲痛に対する湿布の鎮痛効果は湿布の薬剤が打撲部位の皮膚を浸透して痛みを出している組織に直接に抗炎症作用を働かすことで痛みを軽減する。このように湿布は腰椎疾患では、痛みを根本的に取り除くことには効果は余り期待できないが、痛みの緩和効果を得るための有効な対症治療法である。


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