fc2ブログ

腰椎変性すべり症に狭窄症を合併した60代半ばの女性への最小侵襲除圧・固定術

.27 2012 脊椎疾患 comment(2) trackback(0)
昨日は3件の腰椎手術を行い、帰宅は22時を過ぎてしまった。
今日は午前は外来をやり、午後からは60代半ばの女性の腰椎手術があった。この女性はL3/4(腰椎3番と4番の間)の変性すべり症と狭窄症、さらにL4/5(腰椎4番と5番の間)の脊柱管狭窄症による腰痛と間欠性跛行、下肢のしびれのために生活に大きな支障をきたしていた。県外から来られた患者です。
 L3/4ではすべり症のため高度の脊柱管狭窄の状態があり、L4/5にはすべり症はないが、外側型の脊柱管狭窄症がある。この患者では、圧迫されている神経の除圧術とすべり症に対する腰椎固定術が根治手術として必要であった。
 腰の真ん中でL3/4とL4/5の皮膚にそれぞれ17mmの切開を加え、チューブレトレクターと手術顕微鏡を用いて、馬尾神経と神経根を両側で除圧した。除圧は片側から両側の除圧を行う方法を行っている。神経の除圧が済むと、腰の真ん中から両側40mmの所へ40mmの皮膚切開を加え、直径7.5mm、長さ45mmのペディクル・スクリューを挿入し、最後に40mmのロッドを締結した。椎体間固定はmini-TLIFという方法で、右側から椎間孔経由で椎間板を摘出し、ピーク材で出来た椎体間ケージを挿入した。ケージの中には骨を削った時に採取した骨の粉とセラミック細粒と混ぜ合わせて詰め込み、ケージの前にも移植した。椎体間に骨とセラミック細粒を混ぜて移植するのはすべり症に対する椎体間固定のためである。椎体間が動くと骨はつかないので、動きを止めるために内固定としてペディクルスクリュー固定を行うのです。この手術は腰椎の手術の中でもなかなか大変な手術です。今日の手術はいつもより大変でした。同じ病名と手術方法でも患者によってやりやすいやりにくいがあるのです。ちなみにこの患者では手術時間は5時間20分、出血量は145mlと私の手術にしては時間も出血量も私の平均をかなり上回っていました。それでも、麻酔の覚めた患者に問題ないことを確認すると、疲れは快い安心感と満足感に変わります。外科医をやめられないのはこの気分を味わい続けたいからかもしれません(笑)。
 今日も帰りは22時になりました。帰ってから晩飯です。ビールもありかな(笑)。




腰痛・坐骨神経痛で悩むより多くの方に読んでいただきたいと
思っております。応援クリックお願いいたします。

     ↓           ↓

にほんブログ村 健康ブログ 腰痛・ギックリ腰へ 人気ブログランキングへ



関連記事

drshujisato
16/04/16のS,Iさんへ   Re: 復帰したい

長い複雑な経過であり、大変お気の毒と思います。
大事なことは、あなたが書いているように今までの症状の原因を明らかにして、今後の治療方針を
立てることと思います。そのことに私もまったく同感です。
私の外来を受診できるのでしたら、検討させていただきます。
私の外来は予約制であり、医療秘書が予約管理しています。

それではお大事に

FROM SHUJI SATO、
2016.04.19 17:16
S,I
 先生の患者に対する考え方に、以前より深く感謝していた者の一人です。
 先生に一度診察をお願いしたいと2年前くらいから思っていたのですが、恥ずかしながらインターネットの使い方が分からず‥やっと先生のお名前を最近知りました。
 3年前に腰椎椎間板ヘルニア3箇所「L3~s1」の診断をされ動いた方がいいということで、看護師として多忙な毎日を送っていましたが、ある朝より歩けなくなり、そこからブロック注射等の治療が始まりました。その後入院し、牽引とリハビリ。仕事の早期復帰を目指していたので、他の医者の指摘で勤め先の病院でミエログラフィを実施。結果、超外側ヘルニア。内視鏡下での手術が出来るところへと紹介され、大病院で手術することにしました。しかし、何故か外側ヘルニアには手をつけずL5~S1の手術。術後の不適切な管理とチューブが神経に12時間(神経根ブロックを12時間した感覚)その後痛みを訴え続けたのですが、精神的な患者扱いにされ、数日後に再ヘルニアで手術。それぞれ4時間の手術。癒着がかなり酷かったと。2回目の術後も疼痛コントロールが医師と約束していたにも関わらず、適切な痛み止めを否定され
過呼吸と血圧の低下を招く状態に‥
 私は、とにかくこの病院から離れたかった。(精神的な病気になりかねない)
 結局、勤め先の病院で術後のフォローをお願いしたのですが、ノルスパンテープが効果的で暫く使用していました。しかし、かぶれが酷く中断(訴えたにも関わらず延々とテープ処方し診察待ち時間も最後に回されました)また精神的な者にされ、仕事場も休職時期が過ぎた為、退職の運びとなり、それを機にそこでの治療も止めました。腰痛と歩行困難で、他院に受診し
ペイン治療のため入退院を繰り返し、脊髄刺激療法も試しました。しかし効果なく、そこでもブロック注射時に失敗があり‥結局その病院でも内服治療(トラムセット8錠,ノルスパンテープ,レペタン坐薬,コデイン散等‥多量の薬を処方される)医師の友人の脊髄外科の医師を紹介され、結果的にレペタン坐薬0.2を2回使用して1年程度コントロール出来、経済的な問題も抱えていたので、腰に負担のかからない職場で短時間の仕事をすることにしました。そこの病院でも保険審査に引っかかる薬の処方の仕方でした。友人の紹介で、他の医師に相談したのですが、慢性疼痛でレペタン中毒になっていると指摘されました。レントゲンの結果治る過程であると‥ノルスパンテープが良く効いていたことを話すと、レペタンではなくノルスパンテープで経過見ようとのこと(以前、アレルギー科のドクターに相談して、二つの薬は同成分であることを理解していました)ここの医師も信頼出来ず、この度、脳神経外科脊髄外来を受診。どこも悪くないのにレペタン坐薬は出せませんと‥
 様々な病院を受診し、やはり精神的な痛みなのか?脳が痛みを記憶しているためと自分に言い聞かせていますが限界を感じ、思い切って遠方のドクターに一度みてもらいたいと思いネットで検索した結果、やっと先生のサイトに辿り着いた次第です。長々と書いてしまい申し訳ありません。私は、根本的な原因と痛みと上手く付き合う方法を望んでいるだけなのです。手術ミスや管理ミスを恨む感情はありますが、訴訟を起こしたところで痛みがなくなるわけではない。ただただ
やっとここまで立て直した現状を否定され続け自尊心を失いかけている状況を克服したいのです。
 現在、小4の子どもをもつ母親ですが、せめて寝込むことなく子どもを育てていく事だけを希望しています。
 先生にご理解頂けたら幸です。ヨロシクお願いします。
2016.04.16 19:09

  • comment
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:https://spine.drshujisato.com/tb.php/98-2c56c777